アメリカとイランがIAEAで対立する理由は?対立の歴史的背景と今後の見通しは?

アメリカとイランが激しく対立しています。

対立しているそもそもの原因は一体何でしょう。

またIAEAから発表があったようですが、どんな内容だったのでしょうか。

そこで今回はアメリカとイランがIAEAで対立している理由や歴史的背景と、今後はどうなっていくのかについて、地域の情勢や戦争になったらどうなるのかなどの部分に注目しつつまとめてみました。

IAEAの発表

IAEAは7月8日に次のように発表しています

イランのウラン濃縮度 上限超えをIAEAが確認

国際原子力機関(IAEA)は8日、イランが核関連施設で2015年の核合意で定める濃縮度の制限3・67%を超えてウランを濃縮していることを確認したと明らかにした。

イランの宣言通りで、IAEAの報道担当者は「査察官が8日に確認し、天野之弥(ゆきや)事務局長が理事国に伝えた」と述べた。

具体的な濃縮度は明らかにしていない。

イラン原子力庁の報道官は8日、貯蔵する低濃縮ウランの濃縮度について、3・67%を突破し、4・5%を超えたと明らかにしていた。

ウランの濃縮度は、5%程度までは原発の燃料に使うレベルで、核爆弾の原料となる高濃縮ウランは90%程度だ。

引用元:朝日新聞 2019年7月9日10時37分(https://www.asahi.com/articles/ASM792JGZM79UHBI00F.html)

いまのところ原発の燃料レベルですがイラン原子力庁の報道官は濃縮度を20%に上げることも示唆しています。

20%に濃縮度を上げると、そこから90%まではごく短期間で到達します。

イランがこの1~2ヶ月の間に20%に上げると、年内には核兵器製造が可能になります。

アメリカとイランが対立している歴史的背景

アメリカとイランの対立は1970年代のイラン革命まで遡ります。

アメリカはイランの独裁者であったシャー・パーレヴィを支援し続けました。

この事でアメリカはイランの民衆から反感を買い、さらに宗教指導者であるホメイニ師の登場によりイラン革命は成功します。

その後、アメリカ大使館占拠事件やアメリカ軍の救出作戦の失敗などで、アメリカとイランの対立はさらに深まります。

2000年代のアメリカとイラン

2000年代に入るとアメリカとイランの対立に新たな要素が加わります。

それが核疑惑です。

イランは自国の核関連施設でウランの濃縮やプルトニウムの抽出などを行っていました。

イランは原子力発電所の燃料製造のためだとしていましたが、アメリカは核兵器の製造のためではないかと疑います。

アメリカはイランに対し様々な経済的圧力をかけ、各国に対し同調するように呼びかけました。

欧州各国はアメリカに同調したので、イランの経済は大打撃を受けます。

イランは欧米と核合意を結ぶ

輸出も輸入もままならなくなったイランは、欧米諸国との間に話し合いの場を持つことになりました。

米英仏独中露6か国協議「P5プラス1」とイランの間で話し合いが行われ、2015年7月14日に最終合意に達しました。

イラン側は核開発の大幅な制限と国内軍事施設の条件付き査察を含めた内容を受け入れます。

2016年1月16日、国際原子力機関(IAEA)はイランが核濃縮に必要な遠心分離器などを大幅に削減したことを確認したと発表しました。

これを受けて欧米諸国は経済制裁の解除手続きに入りました。

核合意から離脱したアメリカ

ようやく一息ついたイランですが、トランプ大統領の登場でどんでん返しとなります。

2018年5月。

アメリカのトランプ大統領は核合意からの離脱を発表します。

そして再び厳しい経済制裁をイランに科しました。

アメリカはどうして核合意から離脱したのでしょうか。

それには二人の大統領の考え方の違いがあります。

アメリカが離脱した理由

核合意を結んだのはオバマ前大統領でした。

オバマ前大統領は核兵器開発につながる能力を制限してIAEAによる査察を徹底する一方で、原子力の平和利用やミサイルの開発、武器輸出などは問題としない方針を打ち出しました。

つまりイランを「普通の国」として扱ったわけです。

一方、トランプ大統領は最初からイランを「敵性国家」として見なし、イランの存在そのものが中東を不安定にしていると考えています。

そのため未来永劫、平和利用であっても核開発は認めず、ミサイルの開発なども認めないという立場です。

そしてそれを実現するためにイランに対し強力な圧力をかけているわけです。

軍事的圧力を高めるアメリカ

アメリカはペルシャ湾にB-52戦略爆撃機や空母打撃群などを派遣して軍事的圧力を高めています。

ペルシャ湾に派遣されるエイブラハム・リンカーン空母打撃群、さらにIAEAがイランがウラン濃縮度の上限を超えたという発表に対し強く反発しています。

米副大統領 イランへの軍事的対応を示唆

「イランはアメリカの自制を決意の欠如と勘違いすべきではない」

-ペンス副大統領はこのように述べた上で「アメリカ軍は中東での国益を守る用意ができている」と強調。

イランへの軍事的な対応を示唆し警告した。

また、対イラン強硬派のボルトン大統領補佐官は「イランへの圧力を強め続ける」と述べ、一歩も引かない姿勢を強調している。

引用元:日テレNEWS24(https://news.livedoor.com/article/detail/16745223/)

アメリカとイランの今後の見通しは?

経済的軍事的圧力をかけ続けるアメリカと、それに激しく反発するイランですが、今後の見通しはどうなるのでしょうか。

アメリカがこれまで以上に圧力を高めると、イラン国内の反米派が暴発する危険性があります。

具体的に言えば軍事組織でありながら軍に所属していない「革命防衛隊」がそれにあたり、日本などのタンカーを攻撃した張本人であるとの見方があります。

タンカー攻撃の真偽は横に置くとして、革命防衛隊は既にアメリカの無人機を撃墜しています。

無人機だったので非難の応酬だけですみましたが、これが戦闘機だったらエスカレートしていたことは間違いないでしょう。

ではアメリカはイランとの戦争を望んでいるのでしょうか。

フランスなど欧州ではイランとの対話で事態の収拾を図りたい考えですが、アメリカだけ突っ走っている現状ではそれは困難でしょう。

しかもイランは核合意から逸脱してしまいました。

イランはIAEAから離脱

以上、激化するアメリカとイランの対立について見てきました。

イランが核合意から逸脱したことを国際原子力機関(IAEA)が確認したことで、事態は新たなステージを迎えました。

アメリカはさらに軍事的圧力を高めるでしょう。

イラン国内の反米派は反発を強めています。

心配されるのは偶発的な軍事衝突です。

事態がここまでエスカレートしている現状では、本格的な交戦に発展しかねません。

その場合、イランはホルムズ海峡を封鎖するかもしれません。

そうなったら日本をはじめ、中東に石油を依存している国々は大変困ることになります。

今後もアメリカとイランの対立は続きますが、事態を注視していく必要があります。

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