コンビニの店長は労働者?オーナー?24時間営業できない理由や団体交渉の経緯は?

3月15日、中央労働委員会はコンビニエンスストアを経営する加盟者は、労働組合法での労働者に当たらず、フランチャイズ本部と団体交渉する権利を認めない、という判断を下しました。

地方労働委員会ではその権利が認められましたが、それを不服としたコンビニエンスストアによる中央労働委員会への再審査の申し立ての結果、中央労働委員会の判断はそれに否定的であることを統一的な見解として示しています。

この中央労働委員会の判断に納得できない加盟者の人達は、引き続き行政訴訟を東京地裁に
起こすようであり、まだまだ紛争は続きそうです。

今回は、この中央労働委員会の判断と共に、コンビニの店長の労働者性について纏めました。

救済申し立ての流れ

今回の中央労働委員会の判断は、2010年にファミリーマートとセブンイレブンの加盟者達が地方労働委員会に団体交渉の権利に関して救済申し立てをしたことに対するものです。

セブンイレブンの事案は3月24日に、岡山県労働員会に救済申し立てがあり、ファミリーマートの事案は12月5日に東京都労働員会に対して救済申し立てがありました。

岡山と東京の両地方労働委員会はこの救済申し立てに対し肯定的であり、いずれも「加盟者は労働組合法上の労働者に当たる」と判断しています。

岡山県労働員会は2014年3月13日付でセブンイレブンに、東京都労働員会は2015年3月17日付でファミリーマートにそれぞれ団体交渉に関して応じるよう命令書を発行しています。

この命令書に不服であった両コンビニチェーンはそれぞれ中央労働委員会に対し、再審査の申し立てを行っています。

そして3月15日に、この両件に対して、否定的である判断が示されたのでした。

中央労働委員会は、両都道府県労働員会に命令書の取り消しが妥当であるとしています。

両都道府県労働員会の根拠

岡山県労働員会は、加盟者の労働者性に対し、

●加盟者側に独立性が希薄である

ことを根拠とし、東京都労働委員会は、

●加盟者の労働力が事業遂行に確保されている

●加盟者の得る金員は、労務提供に対する対価の性格を有している

●加盟者が顕著な事業者生を備えているとはいえないこと

などを根拠として労働者としての団体交渉の権利を認めています。

ところが、これらの点に関し、中央労働委員会は「交渉力に大きな差がある」としながらも否定的な見解をとっています。

今回の中央労働委員会の判断に対し、店舗の店長達は納得せず、東京地方裁判所に行政訴訟として引き続き紛争が起こるとみていいでしょう。

コンビニはブラック企業?

上記のコンビニチェーン本部に対する団体交渉を巡る一連の流れには、コンビニが所謂ブラック企業と化している現実が背景にあります。

コンビニは基本的に365日の24時間いつでも営業しています。

これは勿論、利用者にとっては有り難いことですが、コンビニ店舗を運営している加盟者にとってはとても大変なことなのです。

店長が正社員として店舗で24時間働くということをずっと続ける訳にもいかず、どこかでアルバイトを雇わなければ文字通り倒れてしまいます。

そうしてバイトを雇う訳ですが、これも十分な確保ができなければバイトの方が倒れてしまいます。

しかし、高額な給料を用意して複数のバイトを雇えば今度はその賃金によって店が傾くということに繋がります。

この辺に適切な対処をしなければ結局、全てが共倒れです。

各店舗に合わせた柔軟な対処をコンビニの店長はフランチャイズ本店に求めているのです。

働く店長と従業員

しかし、フランチャイズ本店は、24時間の営業を求めています。

それは単純な話で、24時間営業して100円でも売り上げがあればそれだけロイヤリティとして入るお金が増えるからです。

しかし、経費、その中でも特に大きい人件費を払わなければならない店舗にしてみれば、そこは苦労する部分の中でも特に酷い部分です。

そこに対して改善や見直しの要求が殺到するのは無理もないことです。

フランチャイズ側は、当初の契約だから、社会的インフラに従事することだから、との回答で24時間の営業を求めていますが、その結果、その負担は店長もしくはその従業員に降りかかってくるのです。

店長並びに従業員の長時間の勤務の例は毎年どこかしらで話題となります。

そして病気になったり過労死についても囁かれています。

こういった人達に対して、法律上の労働者としての権利はない、と通告することは流石に心情的には理解できないことでしょう。

時間短縮への動き

先月2月27日、こうした現状を受けて、コンビニ加盟店ユニオンはセブンイレブンに対し、営業時間の短縮などの契約内容の変更についての団体交渉を申し入れたと発表しています。

「24時間営業は限界を迎えている」とし、その改善に向けて動いています。

しかし、今回の中央労働委員会の判断によってまた新たなるハードルが設けられたと言っても過言ではなく、今後の交渉に難航が予想されます。

便利なサービスの裏側

コンビニに限らず、普段何気なく享受している便利なサービスは、裏を返せば並々ならぬ努力によってその利便性を確保している場合があります。

それらは決して対岸の火事ではなく、いつ利便性を求める消費者の手が違う職種に伸びても不思議ではなく、コンビニを始めとする過剰な努力を費やす職を引き合いにして要求されても不思議ではありません。

今回の件は、一人一人が社会の一員として考えるべき出来事なのでしょう。

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