あおり運転に対し道路交通法改正により免許取り消しができるよう、警察庁が法改正を進めていることがニュースとなっています。
近年、あおり運転の事例がますます増加していることを背景として法改正が進められているとされていますが、その具体的な経緯などはどのようなものなのでしょうか。
現状での被害状況や、加害者の現状などはどのようなものなのでしょうか。
今回は、道路交通法改正であおり運転の免許取り消しができる様に進められているニュースやその経緯、あおり運転の被害状況や加害者の現状についてまとめました。
あおり運転とは
あおり運転とは、走行中の自動車やバイクなどに対し、他のドライバーが煽ることによって危険を生じさせる行為を指します。
具体的には、
◯クラクションの過多の使用
◯追いまわし
◯割り込み
などの行為がそれに該当するとされています。
あおり運転を起こす心理
あおり運転を起こす背景には、
◯ドライバーの気質
があるとされています。
車には気を大きくする心理的作用があるとされており、ほんの些細な事でも怒りの感情を増幅させる効果がある、とされています。
またあおり運転として摘発されたドライバーは「短気」や「自己顕示欲が強い」といった性格の持ち主であることが多いことが判明しています。
参考:wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%8A%E3%82%8A%E9%81%8B%E8%BB%A2#cite_note-10)
現状のあおり運転の法的な対策
周囲のドライバーの安全運転を乱すあおり運転ですが、道路交通法では「あおり運転」の定義は存在していません。
現在のところでは、道路交通法の「車間距離保持義務違反」を適用することによって、あおり運転のドライバーの摘発を行っています。
その違反点数は、
◯一般道…1点
であり、他に違反がなければ免許取り消しに至るほどではない状況です。
道路交通法改正によりあおり運転の免許取り消しの方針
あおり運転に対する法的な対策は強力なものとは言えない状況ですが、警察庁は道路交通法改正によりあおり運転に対し免許取り消しの罰則を設ける方針を明らかにしています。
現在ではその内容が警察庁内でまとめられている最中です。
来年の通常国会への法案提出を目指している模様です。
ほかの車の走行を著しく妨害する「あおり運転」について、警察庁は免許取り消しの対象にする方針を固めた。
あおり運転そのものを摘発する規定の新設や罰則強化のために道路交通法を改正する考えだが、行政処分も厳しくする。
ドライバーに危機感を持ってもらうことで、危険な運転を抑止するのが狙いだ。
(中略)
警察庁はあおり運転にあたる行為を新たに道交法で定めて厳しい罰則を設ける方針で、来年の通常国会への法案提出を目指して検討を進めている。さらに行政処分については、酒酔い運転や過労運転などと同じように、あおり運転と認定されれば免許取り消しにする方針だ。
引用元:朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/articles/ASMC76QL1MC7UTIL053.html)
あおり運転の被害状況と免許取り消しへの経緯や理由
あおり運転への厳罰化となった理由はどのようなものなのでしょうか。
それは近年のあおり運転に対する注目度が上がったことによるものです。
◯9月の愛知県の東名高速でのエアガン発射事件
などのニュースとなった事件も記憶に新しいところですが、警察庁によれば車間距離保持義務違反の摘発数が2017年から2018年にかけて約1.8倍にも昇ったことが報告されています。
◯2017年…7133件
◯2018年…13025件
参考:Park blog(https://jafmate.jp/blog/safety/190527-20-1.html)
あおり運転を社会問題として個別に法律的に対処すべきである、という状況になったことが原因と言えるでしょう。
あおり運転の加害者の現状
かつてニュースとして取り上げられた、あおり運転の加害者と目される人物の現状はどのようなものなのでしょうか。
2017年に東名高速であおり運転をされたことにより停車し、後続のトラックに追突されることで一家4人が死傷した事故では、あおり運転したとされる石橋和歩被告の裁判がまだ続いています。
一審の横浜地裁での判決は危険運転にあたるとして「懲役18年」が言い渡されています。
しかし被告側は控訴し、現在東京高等裁判所で裁判が開かれています。
判決は来月の12月6日であり、現状ではその結果に注目が集まっています。
あおり運転の「危険運転」という争点
現在のところでは、石橋被告の運転が「危険運転」にあたるのかどうかが争点であるとされています。
石橋被告の行動に対し、弁護士は法律で明記されている犯罪行為ではないと主張しており、それが認められるのであれば1審の判決よりかはいくらか罰則が小さくなることもあり得ます。
被害者家族の車の前に割り込み、減速して停車させた行為が危険運転に当たるかが争点。
弁護人は数々の無罪判決を勝ち取り「刑事弁護界のレジェンド」と呼ばれる高野隆弁護士で「割り込んで停車させた行為が危険で悪質で重い刑事罰が必要なら、国会で論議し、国民に周知しなければいけない」と、犯罪の対象となる行為は法律で明記する「罪刑法定主義」に反していると主張した。
公判は即日結審し、判決は12月6日。
引用元:日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201911060000503.html)
動向法改正によるあおり運転の免許取り消しのまとめ
車は一般の方にとって便利な道具であり、また日本社会を支える大事な道具でもあります。
しかし、車は1トンもする鉄の塊であり、使い方によっては大事故を引き起こす道具であるものなので使用する際には細心の注意を払うべきでもあります。
近年、残念ながらそうした意識が少し軽んじられている事故が絶えません。
法律によって縛る必要が出てきてしまったことは残念なことと言っていいでしょう。
法改正を機に、ドライバーの方々がただ法律を守るということのみならず、周囲に迷惑を掛けない安全なドライバーであることを目指すことを期待したいところです。
今回は、あおり運転で免許取り消しができるよう道路交通法改正が進められているニュースやその経緯、あおり運転の被害状況や加害者の現状についてまとめました。
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