タレントのデヴィ夫人が代表を務める「オフィス・デヴィ・スカルノ」の運営費の横領事件の判決が下されました。
東京地検は業務上横領罪に問われた辻村秀一郎被告に対し、懲役4年の実刑判決、執行猶予なしの判決を言い渡しています。
華やかな装いと迫力のある端正な顔立ちで、圧倒的な存在感を出すデヴィ夫人。
今回は彼女の発言と共に、この横領事件を追ってみました。
横領総額はデヴィ夫人によると1億7000万円以上!
今回の起訴内容は、「2013年12月から2016年8月までに59回、事務所名義の預金口座から総計2200万円を引き出し着服した」となります。
そしてそれに関して、業務上横領の罪として上記の判決が下されました。
しかし、デヴィ夫人はこの回数と金額に対して異議と不満を持っているようです。
デヴィ夫人によれば、横領回数は280回以上、金額は1億7000万円とのことです。
「その内の一部にしか罪を問えない」として日本の司法の在り方を含めて激しく怒りを燃やしています。
今後もまた民事訴訟をおこし、さらなる追求を考えているそうです。
業務上横領は立証がとても大変
実は、業務上横領は罪に問うことが難しい犯罪なのです。
横領は、警察では捜査第二課がその捜査に当たります。
詐欺事件など知能犯に対するエキスパート集団です。
それでも悪意、つまり人の心の中に相手を騙す意志があったのか、ということを立証するのは難しい仕事です。
特にお金の横領は、「引き出されたお金」が犯人にとって利益のある行動に使われた、とみなせる一定の条件が必要ですが、お金の番号を控えて商売上の取引をする訳もなく、悪意の証明は大変難しいのです。
そして検察官は、長期間に渡る横領に対してもその全ての起訴ではなく、確実と思われる一部にのみ起訴する、ということが多々あるのです。
雇われた時から行っていた?
起訴状の内容は「2013年12月から」となっています。
しかし、デヴィ夫人は2011年2月から5年半の間に事務所の口座から使途不明な引き出しが約280回あったと述べています。
実は、2011年2月は辻村被告が雇われた月だったのです。
判決ではそこまでの断定はされていませんが、ちょうどその時から使途不明金が存在していたということに対し、デヴィ夫人が疑いの目を向けるのは無理からぬ所でしょうね。
横領事件の流れ
2011年2月に辻村被告が雇われた時がこの事件の最初と言っていいでしょう。
辻村被告は新宿の税理士事務所から派遣されてデヴィ夫人の芸能事務所の経理を担当し、そこから5年半勤務しています。
その勤務の中で芸能事務所の運営費をATMから引き出し着服していました。
一度に引き出す額は50万前後であり、それが繰り返されていたのです。
デヴィ夫人もそんなこととは露知らず、仕事ぶりは実直だと評価し、辻村被告を信用するようになって派遣から個人契約を結んでいます。
そんな中、2016年9月にデヴィ夫人が税理士に資産運用の相談をした所、資産についてきちんと見直した方がいい、という意見の元に内部調査を行った所、預金額が大幅に減っていることが判明し、そこから横領が発覚したのでした。
そしてその一年後の2017年10月26日に、辻村被告は「業務上横領の疑い」で逮捕されたのです。
そして2019年3月5日、刑が確定したのでした。
今後も民事裁判による不法行為に対する裁判が開かれるでしょう。
デヴィ夫人は元インドネシア大統領第3夫人
デヴィ夫人の本名は「ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ」です。
インドネシアの独立に多大な功績をあげ、そしてインドネシア独立後の最初の大統領であったスカルノの第3夫人であったことから、デヴィ夫人が通称として親しまれたのです。
現在はインドネシア国籍ですが、日本生まれです。

昔の名前は、根本七保子(ねもと なおこ)でした。
外国、それも西洋風な顔立ちをしていますが、両親ともに日本人の、生粋の日本人です。
今でこそ華やかな装いで色々活躍していますが、当時の家庭はかなり貧窮していたようで、アルバイトをしながら定時制の高校を卒業し、生命保険会社に入社した後も昼休みの間を縫ってアルバイトに励んでいたそうです。
その後、インドネシアの開発援助の仕事に秘書として従事し、日本との外交を重視していたスカルノ大統領と親しくなり、愛人の後に結婚し、第3夫人となったのでした。
その後、クーデター並びにスカルノ大統領の死去に伴い、ヨーロッパやアメリカを渡り歩いた後、日本に帰国し、現在まで続いています。
デヴィ夫人の資産は数十億円!
一億円以上のお金が横領されたと述べているデヴィ夫人ですが、彼女が持ち合わせている資産はどれくらいなのか、とはネットで色々噂されています。
渋谷の高級住宅地に豪邸を構え、その中はまるでお城のような輝きと華やかさがあります。
それ以外にも、パリやニューヨークにも不動産を持っています。
また持っている宝石も質が素晴らしく量も多いです。
これだけで30億円の資産は確定でしょう。
スカルノ大統領の遺産受け取ったことによるものなのか、興している事業からくる収入なのか、とにかく凄い金額ですね。
これからもまた活躍して下さい
この横領事件の結果は、懲役4年の実刑判決となりました。
デヴィ夫人も「心から反省はしてないでしょうね」としながらも、一区切りついたこの結果について一定の納得を見せています。
横領の実際の額との開きなど、デヴィ夫人にとって納得がいかない、そして今後も続きそうな部分はありそうですが、気持ちを入れ直してまたテレビ等での活躍を期待したいですね。