夏休みに車で旅行に出かけるとガソリン価格に差があることを実感しますよね。
時にはリッター10円近く違うこともあります。
でも、こうした地域差はどうして生まれるのでしょうか。
なにか理由があるはずです。
そこで今回はガソリン価格に地域差がある理由について調査しました。
最安値と最高値の地域やイランやホルムズ海峡を巡る国際情勢からの影響についても見ていきます。
ガソリン価格の内訳
ガソリン価格はガソリンそのものの価格に、ガソリンスタンドの利益と各種税金が上乗せされたものとなっています。
消費税込みでリッター159円だとすると、48.6円が揮発油税で5.2円が地方道路税となります。
この2つの税を合わせてガソリン税と呼びます。税金はこれだけではなく、リッターあたり2.04円の石油石炭税が課せられ、さらには消費税まで加算されています。
その結果、日本のガソリン価格は、そのほぼ5割が税金という事になっています。
つまり車は税金を燃やしながら走行しているようなものなんです。
地域差は輸送コストが原因
それでは地域ごとにガソリン価格が異なるのはなぜでしょうか。
じつはガソリン価格は「油槽所との距離」がそのまま価格に反映されるんです。
輸入された原油は石油精製所で精製された後、油槽所に運ばれ貯蔵されます。
その油槽所から各地のガソリンスタンドにタンクローリーで運ばれるので、油槽所から遠いとそれだけ輸送コストが掛かりガソリン価格が高くなります。
ガソリン価格の競争原理も価格差に反映される
国道沿いでガソリンスタンドが密集している場所では、競争原理が働きガソリンの価格が下がります。

これはガソリンスタンドが利益を抑えるためで薄利多売を狙ったものと言えます。
一方、近くに同業のガソリンスタンドが存在しないような場所では、競争原理は働かないので価格は下がりにくいでしょう。
ガソリン価格最安値と最高値の地域
ガソリン価格の全国平均は原稿執筆時でレギュラーが138.9円、ハイオクが153.8円となっています。
都道府県別でガソリン価格の安さトップスリーはこちらです。
2位:岩手県 レギュラー:132.05円 ハイオク:142.35円
3位:奈良県 レギュラー:132.05円 ハイオク:143.68円
全国平均と比較してもずいぶん安いことがわかります。
逆にガソリン価格が高いワーストスリーはこちらとなります。
2位:長野県 レギュラー:148.33円 ハイオク:162.00円
3位:山梨県 レギュラー:147.50円 ハイオク:160.94円
全国平均より10円以上高いですね。この地域で暮らす人は大変です。
※参照元 e-燃費(https://e-nenpi.com/gs/prefavg)
ガソリン価格、円高と円安では変わる?
日本は原油のほぼ全てを輸入に頼っています。
ですから当然、為替によってガソリン価格は変わります。
円安になれば輸出産業には朗報でも、輸入される原油の価格は上がるので、ガソリン価格も上がります。
円高になれば輸出産業には痛手ですが、輸入される原油の価格は下がるので、ガソリン価格も下がることになります。
ガソリン価格高騰はイランはホルムズ海峡を封鎖するから?
日本に輸入される原油のほとんどは中東で産出したものです。
そしてタンカーは必ずホルムズ海峡を抜けるルートを取ります。
現在、アメリカとイランの間の緊張が高まっています。
イランがホルムズ海峡を封鎖するのではないかという話を小耳に挟んだ方も多いでしょう。
イランにそんな事が出来るのでしょうか。
ホルムズ海峡は北はイランに南はオマーンに接した海峡です。

イランが封鎖できるのはホルムズ海峡北部のイランの領海のみということになります。
そして仮に封鎖をしたとしても、タンカーは南部のオマーンの領海を通ればいいので問題は生じないんです。
そもそも国際航路はオマーンの領海を通るように設定されています。
もしもイランがオマーンの領海まで封鎖をするとそれは戦争行為となります。
オマーンはサウジアラビアなど中東各国と軍事同盟を結んでいます。
オマーンへの戦争行為はそのまま中東戦争に発展しますからイランも迂闊には手を出せないんです。
ガソリン価格地域差から出費を抑えるには?
ガソリン価格は安い時でもリッター120円以上はします。
なんとか出費を抑える方法はないものでしょうか。
じつはちょっとした工夫で違ってくるものなんです。
いくつかご教示します。
ガソリンスタンドによってはTカードに加入すると割引を受けられます。
ささいな差かも知れませんが、1年を通すとかなりの差になるものです。
車の燃費は運転の仕方で大きく変わるものです。
燃費の良い運転を心がけることでガソリンへの出費を抑えることが出来ます。
それでは燃費の良い運転とはどんな運転でしょうか。見てみることにしましょう。
急加速、急ハンドル、急ブレーキは危険なだけではなく、車の燃費を悪化させます。
穏やかな運転をすれば燃費が良くなります。
夏場ならエアコンの温度設定を高めにしておくことで燃費が良くなります。2
8度くらいに設定しておいて、後は半袖半ズボンなど衣服で調整しましょう。
車に不要な荷物が積んであると重くなるので燃費は悪化します。
不要な荷物は下ろすようにしましょう。
給油をガソリンタンクの半分までにすれば、車は軽くなるので燃費にいい影響を与えます。
タイヤの空気圧を10%程度上げることで燃費を稼ぐことが出来ます。
ただし上げるのは10%が限度です。
それ以上あげるとバーストの危険があるのでやめて下さい。
ガソリン価格の地域差は油槽所からの距離
以上、ガソリン価格の地域差について見てきました。
価格差があるのは油槽所からの距離が原因です。
物理的な問題ですから、どうしようもないようです。
また、アメリカとイランの緊張を心配される方も多いと思いますが、実際にホルムズ海峡が封鎖されることはありません。
仮にイランが封鎖したらアメリカを巻き込んだ中東戦争になってしまいます。
イランもメリカ相手の戦争は避けたいところでしょう。
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