アメリカが世界最大の島であるグリーンランドを購入する意志を見せており、アメリカ国内のみならず世界中で話題となっています。
全世界が戸惑いを見せていますが、トランプ大統領はツイッターでその購入に対して意欲的であることを示しています。
アメリカが強固な意志を見せるグリーンランド購入の理由は、一体どのようなものなのでしょうか。
また購入代金や、現在の所有国、グリーンランドの住民の反応はいかなるものなのでしょうか。
今回は、アメリカがグリーンランドの購入を希望しているニュースやその理由、購入代金や現在の所有国や住民の反応などについてまとめました。
グリーンランドとは
グリーンランドとは、北極海と大西洋の間に、そしてカナダの北東に位置する島です。

世界最大の島であり、その大きさは日本の6倍弱ですが、人口は約5万6千人です。
現在では「デンマーク」領となっています。
実は、島のほとんどは北極圏の範疇であり、
◯島のほとんどに万年雪がある
◯巨大なフィヨルドが形成されている
などによって、住宅部分は島の沿岸部のみに限られることによります。
グリーンランドの豊富な地下資源
グリーンランドは厚い氷によって形成されていますが、近年の温暖化により溶け出しており、それが逆に豊富な地下資源を採掘・獲得するチャンスに繋がっています。
「グリーンランドは島のあちこちで鉱物資源開発が進む「自然資源の最後のフロンティア」。
なかでも最北端の亜鉛鉱山は世界で6番目の生産量が期待される。
自治政府の鉱物資源相エリック・イエンセンは「温暖化で氷河が後退して氷が薄くなったおかげで、鉱物資源の開発がしやすくなったのは確かだ」と認める。」
引用元:朝日新聞GLOBE+(https://globe.asahi.com/article/12172192)
またそれによってグリーンランド自治領としての力が強くなり、国として独立する可能性も囁かれています。
アメリカによるグリーンランド購入検討のニュース
17日に、アメリカのトランプ大統領はグリーンランドを買う構想を持っていると報道されています。
「デンマーク領グリーンランドを買えないか――。
トランプ米大統領が周辺にこんな構想を示したことが16日までに明らかになった。
豊富な天然資源の確保を見込むほか、大統領としてのレガシー(遺産)に位置づける狙いとの見方がある。
真剣度は不明だが、トランプ氏は9月上旬にデンマークを訪れる予定で発言に注目が集まりそうだ。」
引用元:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48669620X10C19A8000000/)
この報道に対し、デンマークのフレデリクセン首相より否定的な見解を示されると、トランプ大統領はツイッターで不快感を表明し9月のデンマーク訪問を延期する旨を発表しています。
Denmark is a very special country with incredible people, but based on Prime Minister Mette Frederiksen’s comments, that she would have no interest in discussing the purchase of Greenland, I will be postponing our meeting scheduled in two weeks for another time….
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年8月20日
こうした発言を見る限り、グリーンランド購入に対して決して絵空事ではなく本気の交渉を展開するのでは、と予測する人達も多く、現状ではその行方に注目が集まっています。
アメリカによるグリーンランド購入検討に対する反応
現状では、この発言に対して未だ疑問視する人達も多く、グリーンランドや本国デンマークの人達もその発言の信憑性を疑っています。
デンマークのラース・リュケ・ラスムセン(Lars Lokke Rasmussen)前首相は、「エープリルフールのジョークに違いないが、完全に季節外れだ!」とツイートした。
グリーンランドの地元住民らも、この報道に困惑しており、東部クルスク(Qulusuk)のホテルオーナーはAFPに対し、「ソーシャルメディアでは、この報道は完全なジョークと思われている」として、「私に言わせてもらえば、(米国によるグリーンランド買収は)あり得ない。みんな笑っている」と語った。
引用元:AFPBB News(https://www.afpbb.com/articles/-/3240224)
アメリカによるグリーンランド購入予想金額
アメリカは実際に購入金額としてどれくらいの金額を想定しているのでしょうか。
実は、アメリカは1946年のトルーマン大統領の時にグリーンランドの購入を検討しており、今の価格にして約13億ドルの提案をデンマークに行っています。
その時は破談になっていますが、今回はその金額ではなくさらに莫大な金額で購入意思を示すのでは、とされています。
「グリーンランドの2016年のGDP(国内総生産)が約27億ドルだったことを考えると、トルーマン大統領の1946年の提案(今の価値にして約13億ドル)も低すぎるだろう。
つまり、グリーンランドを買うのにいくらかかるか、具体的に示すことは非常に難しいということだ。 例えば、ワシントン・ポストは、その価格を2億ドルから1兆7000億ドルの間だろうと分析している。」
引用元:BUSINESS INSIDER JAPAN(https://www.businessinsider.jp/post-196843)
アメリカのグリーンランド購入の理由
アメリカがグリーンランドを購入する理由とは、一体どのようなものでしょうか。
グリーンランドは今後の温暖化の具合によっては、レアメタルを始めとする鉱物の大量発掘が見込まれており、その獲得に関してイニシアチブを握ることが理由としています。
とは言え国の一部を買うという行動は、現代において眉を顰められる評価をもたらすのは避けられない行動です。
それでも敢えてそうしたのは、グリーンランドに対し中国が接近しているからでは、とも言われています。
中国によるグリーンランドの接近
中国はグリーンランドの地下資源のみならず、北極圏に拠点を持つことで航路を安定したものにしたい、という狙いがあります。
それが経済的に独立したいグリーンランド自治政府と利害が一致し、繋がり始めたと言われています。
「北欧デンマークの自治領グリーンランドに中国が接近している。
空港整備プロジェクトや地下資源開発のほか、文化普及機関の孔子学院の設置計画も動く。
温暖化による氷の融解で、北極圏は航路や資源獲得の展望が大きく開けた。
専門家は「独立を志向し経済的に自立したい自治政府と、北極圏に拠点が欲しい中国は互恵関係にある」と指摘。
グリーンランド選出のデンマーク国会議員は産経新聞の取材に対し「成長が必要だ」として中国との関係強化に積極的な姿勢を示した。
引用元:産経新聞(https://www.sankei.com/west/news/180501/wst1805010001-n1.html)
中国によるグリーンランドの接近に対する軍事的影響
この中国の行動は資源や航路のみならず、軍事的にもかなりアメリカにとって悪い影響を与えるとしています。
米政権は中国が北極政策の一環としてグリーンランドに接近していることに警戒を強めている。
国防総省は5月の報告書で、中国が衛星通信施設や空港の改良工事をグリーンランドに提案していると指摘。
軍事転用の可能性を懸念してきた。
トランプ氏が対中政策の一環で買収構想を示したかは不明だが、政権内には買収に賛成する声もある。
引用元:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48669620X10C19A8000000/)
グリーンランドは軍事的に重要な場所であり、アメリカのミサイル防衛に関してそのシステムの一端を担っている場所なのです。
中国の影響が高くなれば当然その分だけアメリカの危険が増す結果となり、それに対する牽制として今回の購入計画の発表を行ったのでは、とも言われています。
アメリカやグリーンランドの今後の流れに注目
グリーンランドは豊富な地下資源もさることながら、軍事的にも米中が重要拠点と見なしている島であると言えます。
今後のアメリカやデンマーク、そしてグリーンランドの人達はどういった行動を起こすのか、注目が集まります。
今回は、アメリカがグリーンランドの購入を希望しているニュースやその理由、購入代金や現在の所有国や住民の反応などについてまとめました。
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