アメリカのトランプ大統領が、在韓米軍の一部を撤収することを検討していることが報道によって明らかとなっています。
アメリカは韓国に対し、在韓米軍の駐留費を来年から増額することを要請していますが、その交渉の中で持ち上がった内容との事です。
アメリカによる在韓防衛費分担金アップの額、またGSOMIA破棄との関連やその真相は一体どのようなものなのでしょうか。
今回は、アメリカがGSOMIA破棄で在韓米軍の一部撤収を想定しているニュースや、ヤバすぎるとされる米韓防衛費分担金のアップ額その真相についてまとめました。
在韓米軍とは
在韓米軍とは、韓国に駐留している米軍の陸・海・空軍の総称を指します。
朝鮮戦争の際に派遣され、それ以降も北朝鮮などの共産圏から韓国を防衛する目的で、米軍を韓国に駐留しています。
在韓米軍の総数は年ごとに徐々に削減されており、現在では約28500人の軍隊となっています。
在韓米軍の米韓の防衛費分担金
トランプ大統領は、アメリカはその防衛費として約50億ドルを負担しているとしています。
2018年はその防衛費分担金に関し韓国は約5億ドルを負担していましたが、交渉の末に2019年分はその倍である約10億ドルを負担したとされています。
トランプ大統領は「我々には毎年防衛費として50億ドルを負担させる国があるが、彼らは5億ドルしか分担しない」とし、韓国との防衛費分担金問題に言及した。
(中略)
トランプ大統領は国名に触れていないが、韓米が昨年(9602億ウォン)より8.2%多い今年1兆389億ウォン(約1000億円)の第10次分担金協定(SMA)に仮署名した2日後の2月12日、ホワイトハウス閣僚会議で「韓国が5億ドルを多く出すことになった」と主張した。この日の遊説では「トランプは史上最も偉大な人質交渉家」と自画自賛しながらも、北朝鮮には直接的に言及しなかった。引用元:中央日報(https://japanese.joins.com/JArticle/252833)
韓国の防衛費分担金アップと在韓米軍一部撤収の取引のニュース
報道では、アメリカが来年度の防衛費分担金をさらに5倍にアップさせ、韓国が応じない時には在韓米軍の一部を撤収することを伝えたとされています。
その額は50億ドルと言われており、その要求が通らない時には1個旅団(3000~4000人)の撤収を行う模様です。
韓米防衛費分担金特別協定(SMA)に向けた交渉で米国はこれまでの5倍に相当する防衛費負担を韓国に求めているが、これに韓国が応じない場合に備え、トランプ政権は在韓米軍の一個旅団を撤収する方向で検討を行っていることが19日(現地時間)までに分かった。
米国は従来の5倍となる50億ドル(約5400億円)の分担金を韓国に要求しており、これに韓国は強く反発している。
引用元:ライブドアニュース(https://news.livedoor.com/article/detail/17412558/)
7月の韓国の防衛費分担金アップの報道
この防衛費分担金を5倍にするという内容は今年の7月末に報道されています。
トランプ大統領の強い意志が反映されているとされており、その金額の決定方法に関しては説明を行わないと発表しています。
その段階でアメリカ政府としては既に決定済みであり、その金額に関して韓国と何度も交渉を続けていました。
しかしその交渉はいずれも決裂し、現在に至っています。
韓国国内では反発の声が高く、それに応じたものとみられています。
そして今回、金額の決定に折り合いがつかない時には在韓米軍の一部を撤収するとした内容が発表されたのでした。
在韓米軍一部撤収の影響
この在韓米軍の一部の撤収というのは、一体どのような意味をもたらすのでしょうか。
実際のところ、3000~4000人の在韓米軍の撤退というのは、ただちに東アジアの勢力図に影響を与えるものではないと専門家は指摘しています。

しかし、韓国世論に与える影響は極めて大きいのは確かともしています。
韓国政府がこの防衛費分担金を決定することにより、現在の文政権への不信不満を高め、政権から下ろそうとする意志もあるのではとも言われています。
GSOMIA破棄などアメリカに対する韓国の行動
この防衛費分担金の増額に、韓国による日本とのGSOMIAが少なからず影響していると見られています。
文大統領は親北として知られる人物であり、GSOMIAの破棄は日米韓の自由主義同盟を崩し、レッドチームへの利敵行為であるとも言われています。
韓国のGSOMIAの破棄に対し、アメリカの翻意の要求に韓国政府は頑なに却下し、今月15日にはエスパー国務長官と文大統領の対談の中で
「日本と軍事情報を共有するのは難しい」
と文大統領から直接拒絶が行われており、これによって完全に後戻りできなくなったとされています。
そもそも韓国のGSOMIA破棄の行為はそれを仲介したアメリカに対してマイナスな行為であり、アメリカは韓国に対する重要度を年々引き下げています。
結局のところ、アメリカの韓国に対する不信が米韓防衛費分担金アップとして現れたと考えられます。
在韓米軍や東アジアの動向に注目
今回の防衛費分担金の増額の背景に、GSOMIAの破棄もさることながら韓国はアメリカに対し様々な不義理を働いているとした論調が存在することは間違いないでしょう。
アメリカと日本はこの後の展開をどう読んでいるのか、また韓国はどう動くのか注視していく必要があります。
今回は、アメリカが在韓米軍の一部撤退を想定しているニュースや、米韓防衛費分担金のアップ額やその背景やGSOMIA破棄との関連などの真相についてまとめました。
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